これを書こうとして下の奴が出来ました(ナニ
2001年11月10日「コホコホッ・・・」
重々しく、そして生気の無い・・・それはまさしく『音』
聞く者の耳にこびり付き、まるで生気さえ奪いそうな『音』
「ぱ・・・ぱぱっ!死なないでっ!」
そして響く、彼女の悲痛な叫び。
「お・・・俺はもう駄目だ・・・」
恐ろしく蒼白な顔色で、うめく彼。
「死んじゃいやっ、死んじゃいやっ!」
まるで全てを否定するかのように、激しく彼の言葉を拒絶する彼女。
「う・・・もう、お迎えが着ちまったようだぜ・・・天使がみえらぁ・・・・・・」
力強い右手で天を仰ぎ、その表情は悟りきったかのように見える。
涙さえ浮かび、天井しか映さないはずのその目は、もしかしたら雲の上に浮かぶ天国を映していたのかもしれない。
「いやぁぁぁあ!ぱぱぁぁぁぁぁぁあ!!!」
彼女の悲痛な叫びは、彼の耳にもう届く事は無く・・・
「・・・お、俺は天国にいけるかなぁ・・・・・・・パタッ」
天を仰いでいたその手は、むなしくベッドから垂れ下がり、その顔は涙に濡れながらも、幸せそうにも見える。
「・・・五月蝿いわぁぁぁぁあ!!!」
その声は隣のベッドから、突如二人の元に届けられ
「っちゅーかなにナレーションしてんだこの小僧はぁぁぁぁあ!!!」
いや、僕は今日ナレーション役する事にしたんで
「・・・月那は許す!って言うか白々しい演技してんなっ!月夜アーンドルナっ!」
びしぃ!まるでそんな音がでるほどに、隣のベッドを指差す桜。
「いや・・・暇やったし〜」
顔に塗っていた、白絵の具を落としながらのたまう月夜。
「それに、パパも風邪で暇してると思ったしね〜」
目薬などの小道具をなおしながらルナ。
「ちゅーか、マジで風邪でのどやられてんだから、大声出させんじゃねーって・・・」
喉に手をやり顔をしかめながら、桜はベッドから起き抜けようとする。
「あ、寝てなきゃ駄目だってばっ!」
突発的な大声である。
先ほどまであれだけ風邪をひいた桜を馬鹿にした演技をしていたに関わらず、本当に心配した声で、小道具も放り出し駆け寄るルナ。
「ぬ・・・心配するかおちょくるかどっちかにしろってばさ・・・」
少し困った表情で、ルナに押し切られるようにしてベッドに押し戻される桜。
「って言うかつまんなかった?それだったらごめんねぇ。・・・面白いと思ったんだけどなぁ・・・」
がっかりした口調で、ぶつぶつと口の中で腐るルナ。
もしかしたら案外ルナは本気だったのかもしれない・・・
そう思いながら桜はベッドの上からルナを呼び寄せる。
「いや・・・真面目だったんなら、怒ってすまんな」
そう言いながら、その金色の髪を撫でてやる。
セミショートの髪は軽くなびき、サラサラと音を立てて流れる。
「うーん・・・まぁ、月夜ちゃんはちょっとわかんないけど・・・」
ぎょっっとした雰囲気を背中に乗せ、月夜は部屋を出ようとする動きを止めた
「月夜・・・ちょっとこっち来なさい」
桜の声は思いのほか柔らかだ。
しかし、月夜はその柔らかさの裏に隠されている、言葉の意図を嫌と言うほど知っていた。
ギギギッっと軋む様にこちらを振り向いた月夜は・・・
「あっ!逃げたっ!」
そう、ドアを大きな音で開き、そのまま逃げていった・・・ただ、その時ある声が響いた。
『病人がいるんだから、廊下をばたばたと走らないっ!』
よく通る声で、しかしやはり遠慮しているのか小声で、廊下から声が響いた。
その背後で月夜の断末魔が聞こえたようにも感じれたが、これはその際気にしないでおくべきだろうか。
「お邪魔するね」
月夜が開け放ったドアを、静かに閉め・・・ただ両手が塞がっている為、足で閉めたのはご愛嬌だろうか。
「わぁ〜♪」
突如ルナが嬌声を上げる。
「をぉ・・・」
桜も、同じくして感嘆の声をあげる。
その声の原因は、彼女の持つトレイの上で湯気を立てている。
「・・・美味しいかどうかはボク知らないからね」
少し照れた表情で、ベッドの脇のテーブルに静かに置く彼女。
「・・・いや、うまそーじゃん。サンキュー月奈」
礼を言われた事に、少しむず痒い表情を浮かべトレイをベッドの上に落ち着ける。
桜は喜色を満面に広げ、目の前に置かれたお粥に手をつけようとすると・・・
「熱いから、気をつけて食べるんだよ」
そっけない表情でこの一言である。
かわいいの形容詞以外なにが似合うだろうか・・・
「フーフーしてあげよっか?」
その隣でにまにましながら、ルナが言う。
傍から見ればまるで天国であろう・・・
ただ、天国はこの世に実在しない物である・・・
「なにさらすんじゃこの死神族はぁぁぁぁあ!」
突如どこから持ち出したのかモーニングスターなど振り回し月夜の乱入である。
打ち下ろしたモーニングスターは見事に命中した・・・
そう、熱々のお粥にジャストミートである。
『あ・・・』
四人はまったく同じ言葉を紡いだ・・・
心の中はまったく別の言葉を紡いだが。
(殺す)
(死ぬね・・・)
(殺される・・・)
(堕とす・・・)
二人の殺気が月夜に絡みつく・・・
――あまりの残虐シーンゆえにこれ以上はお伝えする事は出来ません――
その後
「あ、ボク月那さんが帰ってきたから本名名乗る事にするよ。これからは『夏乃歌』って呼んで」
本名でなかった事を告げられた桜の心労は激しく、それから三日立った今でも風邪が治らないと言う。
完
重々しく、そして生気の無い・・・それはまさしく『音』
聞く者の耳にこびり付き、まるで生気さえ奪いそうな『音』
「ぱ・・・ぱぱっ!死なないでっ!」
そして響く、彼女の悲痛な叫び。
「お・・・俺はもう駄目だ・・・」
恐ろしく蒼白な顔色で、うめく彼。
「死んじゃいやっ、死んじゃいやっ!」
まるで全てを否定するかのように、激しく彼の言葉を拒絶する彼女。
「う・・・もう、お迎えが着ちまったようだぜ・・・天使がみえらぁ・・・・・・」
力強い右手で天を仰ぎ、その表情は悟りきったかのように見える。
涙さえ浮かび、天井しか映さないはずのその目は、もしかしたら雲の上に浮かぶ天国を映していたのかもしれない。
「いやぁぁぁあ!ぱぱぁぁぁぁぁぁあ!!!」
彼女の悲痛な叫びは、彼の耳にもう届く事は無く・・・
「・・・お、俺は天国にいけるかなぁ・・・・・・・パタッ」
天を仰いでいたその手は、むなしくベッドから垂れ下がり、その顔は涙に濡れながらも、幸せそうにも見える。
「・・・五月蝿いわぁぁぁぁあ!!!」
その声は隣のベッドから、突如二人の元に届けられ
「っちゅーかなにナレーションしてんだこの小僧はぁぁぁぁあ!!!」
いや、僕は今日ナレーション役する事にしたんで
「・・・月那は許す!って言うか白々しい演技してんなっ!月夜アーンドルナっ!」
びしぃ!まるでそんな音がでるほどに、隣のベッドを指差す桜。
「いや・・・暇やったし〜」
顔に塗っていた、白絵の具を落としながらのたまう月夜。
「それに、パパも風邪で暇してると思ったしね〜」
目薬などの小道具をなおしながらルナ。
「ちゅーか、マジで風邪でのどやられてんだから、大声出させんじゃねーって・・・」
喉に手をやり顔をしかめながら、桜はベッドから起き抜けようとする。
「あ、寝てなきゃ駄目だってばっ!」
突発的な大声である。
先ほどまであれだけ風邪をひいた桜を馬鹿にした演技をしていたに関わらず、本当に心配した声で、小道具も放り出し駆け寄るルナ。
「ぬ・・・心配するかおちょくるかどっちかにしろってばさ・・・」
少し困った表情で、ルナに押し切られるようにしてベッドに押し戻される桜。
「って言うかつまんなかった?それだったらごめんねぇ。・・・面白いと思ったんだけどなぁ・・・」
がっかりした口調で、ぶつぶつと口の中で腐るルナ。
もしかしたら案外ルナは本気だったのかもしれない・・・
そう思いながら桜はベッドの上からルナを呼び寄せる。
「いや・・・真面目だったんなら、怒ってすまんな」
そう言いながら、その金色の髪を撫でてやる。
セミショートの髪は軽くなびき、サラサラと音を立てて流れる。
「うーん・・・まぁ、月夜ちゃんはちょっとわかんないけど・・・」
ぎょっっとした雰囲気を背中に乗せ、月夜は部屋を出ようとする動きを止めた
「月夜・・・ちょっとこっち来なさい」
桜の声は思いのほか柔らかだ。
しかし、月夜はその柔らかさの裏に隠されている、言葉の意図を嫌と言うほど知っていた。
ギギギッっと軋む様にこちらを振り向いた月夜は・・・
「あっ!逃げたっ!」
そう、ドアを大きな音で開き、そのまま逃げていった・・・ただ、その時ある声が響いた。
『病人がいるんだから、廊下をばたばたと走らないっ!』
よく通る声で、しかしやはり遠慮しているのか小声で、廊下から声が響いた。
その背後で月夜の断末魔が聞こえたようにも感じれたが、これはその際気にしないでおくべきだろうか。
「お邪魔するね」
月夜が開け放ったドアを、静かに閉め・・・ただ両手が塞がっている為、足で閉めたのはご愛嬌だろうか。
「わぁ〜♪」
突如ルナが嬌声を上げる。
「をぉ・・・」
桜も、同じくして感嘆の声をあげる。
その声の原因は、彼女の持つトレイの上で湯気を立てている。
「・・・美味しいかどうかはボク知らないからね」
少し照れた表情で、ベッドの脇のテーブルに静かに置く彼女。
「・・・いや、うまそーじゃん。サンキュー月奈」
礼を言われた事に、少しむず痒い表情を浮かべトレイをベッドの上に落ち着ける。
桜は喜色を満面に広げ、目の前に置かれたお粥に手をつけようとすると・・・
「熱いから、気をつけて食べるんだよ」
そっけない表情でこの一言である。
かわいいの形容詞以外なにが似合うだろうか・・・
「フーフーしてあげよっか?」
その隣でにまにましながら、ルナが言う。
傍から見ればまるで天国であろう・・・
ただ、天国はこの世に実在しない物である・・・
「なにさらすんじゃこの死神族はぁぁぁぁあ!」
突如どこから持ち出したのかモーニングスターなど振り回し月夜の乱入である。
打ち下ろしたモーニングスターは見事に命中した・・・
そう、熱々のお粥にジャストミートである。
『あ・・・』
四人はまったく同じ言葉を紡いだ・・・
心の中はまったく別の言葉を紡いだが。
(殺す)
(死ぬね・・・)
(殺される・・・)
(堕とす・・・)
二人の殺気が月夜に絡みつく・・・
――あまりの残虐シーンゆえにこれ以上はお伝えする事は出来ません――
その後
「あ、ボク月那さんが帰ってきたから本名名乗る事にするよ。これからは『夏乃歌』って呼んで」
本名でなかった事を告げられた桜の心労は激しく、それから三日立った今でも風邪が治らないと言う。
完
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